【院長ブログ】ちっさくて可愛いって・・・
最近、体重が1㎏程の小さなプードルちゃん(ティーカッププードル含む)の避妊手術を3件ほど立て続けに実施しました。
そのうちの2頭は、他院で体重が少なすぎるので大きくなるまで待ちましょうと言われていたとのことです。
一般的に避妊手術は6~7カ月で行うのが良いと思います。理由は、乳腺腫瘍の予防です。
犬は生後8カ月から10カ月で初めての生理が来ます。
1回でも生理が来てしまうと、乳腺腫瘍のリスクが上がってしまうと言われています。
初めての生理までに避妊手術を行えば、乳腺腫瘍の確率は250~400分の1と言われていますが、
その後生理が来るたびに確率が上がり、4回目の生理以降は4分の1まで上がると言われています。犬の生理の周期は6カ月毎ですので、4回目の生理ということは2~3才ということになります。このことを考慮すると、できれば初めての生理までに
避妊手術をしてあげることが重要と考えられます。
避妊の時には子供の歯(乳歯)の抜歯も同時にすれば、効率的かと思います。
前出の2頭は、生後半年を過ぎており、タイミング的には避妊手術を実施すべき年齢に達していました。
ご不安に思われたオーナーさんが、トリミングサロンで当院を紹介され来院いただきました。
当院で直ぐに避妊手術を行い、問題なく元気に帰ってくれました。
最初の病院の指示通りに、体重が増えるまで待っていたら、
初めての生理が来てしまい乳腺腫瘍の発生率が上がってしまっていたかもしれません。
そもそも生後半年で小さいのは、子供だからではなく、
骨格の小さな可愛いトイプードルだからではないでしょうか?
生後半年で大きくなるのを待って大きくなるのでしょうか?
私は大きくならないと思います。単純に彼らは小さな可愛いプードルなのです。
では、小さくて可愛いことは麻酔のリスクになるのでしょうか。
私の経験では小さな(体重の少ない)ことは、麻酔のリスクとは関係ないように思います。
小さいことがある種の先天的な奇形によるものであれば、
麻酔のリスクは少し上がるかもしれませんが、それなら手術前の血液検査ではっきりわかります。
つまり、手術前の血液検査とレントゲン検査で大きな問題が無ければ、
単に体が小さいことは大きなリスクではありません。
大切なペットの将来の病気のリスクを減らすために、
ただ体が小さいというだけで麻酔を避けるべきでは無いと思います。
多くの病院では、体が小さいというだけで麻酔はリスクと言われ、手術をしてくれないようです。
これでは、小さくて可愛いことが、まるで罪のようですね(笑)。
小さな子の手術で悩まれたときには、ぜひご相談ください。