【院長ブログ】苦渋の選択
この頃は少し過ごしやすくなってきました。食べ物もおいしく、幸せな季節ですね。
本日のテーマは、題名にも上げましたように、苦渋の決断をすることになったご報告です。
10年ほど前に、当院は今の場所で開業しました。
開業当初から供血犬を飼育したり、PHSで24時間体制の医療の実現を模索したりと、
オーナー様の不安を取り除くべく自分たちが最高と思える医療体制を提供するため努力をしてきました。
おかげさまで多くの患者さんにご来院いただくようになりました。
ところが多くの患者さんのご来院いただくようになると、スタッフの人数や体力に
無理が生じるようになってきました。そこで数年前から、診察時間の短縮とPHSの廃止を行いました。
その後もスタッフの頑張りで我々の理想とする医療を提供してきました。
しかし開業から10年が経ち、スタッフの体力やメンタル面を考えると、
休みがきちんととれる体制を整えるべき時に来たと痛感するようになりました。
本来であればスタッフを増員し対応すべきすが、当院はこのような大きさの病院にしては
大きな手術や重症の入院管理を行っていますので、スタッフのクオリティーコントロールが重要となります。
ところが現実にはなかなか優秀な人材の確保が難しい状況です。
これは院長である私の運営手腕の問題でもありますので、偉そうなことは言えませんが、
治療の質を落としてまで誰でもいいから採用しようとは思えないのです。
質を落とした医療を提供するぐらいなら、病院を閉めるほうが良いと思っています。
我々の提供する医療体制の質を落とすことで、我々の存在意義がなくなるとさえ思っています。
そのような強い決意で、我々は医療を提供しています。私の運営能力が低いことで、
当院のスタッフには迷惑をかけてきましたが、そろそろきちんとスタッフに恩返しを
する時に差し掛かったように思います。
以上のような事を考慮すると、医療の質を落とさずにスタッフの負担を減らす方法として、
診察時間の更なる短縮を決断することになりました。
具体的には、最も来院件数の少ない金曜日の午後の診察を休診とすることに決めました。
これにより、我々の提供する医療の質は最低限しか落とさずに、スタッフに肉体面と精神面の休息を提供し、
その休息をとることにより、またオーナー様により良い医療体制を提供できるように頑張っていきます。
そのようにして、トータルとしてはオーナー様の利益となる変更かと考えています。
ご不便をおかけしますが、この様な理由をご理解いただき、
12月からの金曜の午後の休診の件をお許しいただければと思います。