クレアブログ

【院長ブログ】検査の意味って・・・?

明けましておめでとうございます。
本年のブログ1回目は検査についてお話してみようと思います。

検査と一言で言っても、色々な検査があります。
便や尿の検査、血液検査、レントゲン検査、エコー検査、CT検査やMRI検査などがあります。
それぞれに得意な守備範囲が違います。例えば便検査では寄生虫などを調べることが出来ますし、
尿検査では尿中の結晶や出血や細菌を見つけることが出来ます。

レントゲン検査は骨折や肺の評価に向いています。血液検査は内臓の機能や貧血などの評価が出来ます。
エコー検査では子宮蓄膿症や内臓の腫瘍などを見つけることが出来ます。
CT検査では全身的に形の異常や腫瘍の評価をすることが出来、
MRIは柔らかい部位が得意ですので神経系の腫瘍や炎症の探知が得意です。

では検査とは何の為に実施するのでしょう?ここで私が思う検査についてお話してみたいと思います。
私の中で検査とは、その結果に基づき治療の方向性を判断するための手段だと思っています。
逆を言えば、治療の方向性が変わらない検査は必要ないと思います。

セカンドオピニオンで色々な患者さんと向き合う中で私が良く思うことは、
病院によっては検査ばかりして診断がつかずによくわからないまま治療して治りが悪く、
転院してこられることが多いということです。
これらの病院では検査することが目的になっており、まさしく検査のための検査といった感じの事もあります。
私はこれに、違和感をもちます。では我々の病院は何が違うのでしょう?

当院ではオーナーさんのお話や動物の状態を把握したうえで、
ある程度の病気の見当をつけて、それを確認するために検査を行います。
これにより無駄な検査が少なくて済むのです。それが病院によっては、とりあえず色々な検査をして、
そのデータで分かることを説明するところが多いのです。
これでは無駄な検査が多くなりますし、病気の見当がついていないことで、同じ検査の結果を見ていても、
きちんと判断することが出来ず誤診や見落としといったことが生じやすくなります。

その他に見かけることでは、知識や経験不足で画像が適切に判断されず、
見逃しや誤診がある場合もあります。私は大学病院や2次診療施設での診察経験のおかげで
CT検査やMRI検査の読影(画像を判断すること)が出来ますが、
小さな病院での経験しかなければ、読影は難しいと思います。
またCTやMRIの設備はあっても、きちんと読影できる獣医師が育つには長い時間が必要ですので、
設備があるということだけできちんと読影できない病院もあるように思います。
以上のように設備があることが、必ずしもその設備が価値のある診断を生むとは限りません。
よって設備の有無や外観だけで動物病院を選らばないようにお気を付けください。
ちなみに当院では、CTやMRI検査については私が協力病院に患者さんを連れて行き撮影し、
協力病院の画像の先生と二人で相談することで、見落としや誤診をなるべく少なくするように努力しています。
CTやMRI検査以外の検査につきましては、当院で責任を持って実施できる体制を整えておりますので、
ご安心頂ければと思います。

高いお金を払い、検査によっては麻酔のリスクを負って受けた検査の結果が治療に結びつかない様では、
検査の意味が無いように思います。
皆さんはどのように思われますか?

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