クレアブログ

元気になって帰ってくれました!

こんにちは!クレア動物病院です。

今回は当院で治療した12歳のワンちゃん、ひめちゃんについてのお話です。

ひめちゃんは一年ほど前からたびたび発作で倒れることがあり、近くの動物病院で低血糖による発作と診断されていました。
当院に来院された際も血糖値は低い状態でした。血糖値が低い場合には、ご飯が食べられない(飢餓)、ホルモンの病気、細菌感染症、そして膵臓の腫瘍などの可能性が考えられます。
血液検査からひめちゃんは血中のインスリン濃度が上昇していることがわかっていました。インスリンには血糖値を下げる働きがあるため、過剰にインスリンが分泌されると低血糖に陥ります。インスリンを分泌するのは膵臓であるため、膵臓の腫瘍を疑いました。膵臓は重要な臓器なので、腫瘍の場所によっては切除が困難です。そこで本当に膵臓の腫瘍かどうか、もしそうであるなら切除可能な場所であるかどうかを明らかにするため、CT検査を行いました。その結果、やはり膵臓に腫瘍(インスリノーマ)が見つかりましたが、手術で切除が可能な場所にあることがわかりました。

手術をすれば低血糖による発作が起こらなくなることを飼い主様にお伝えすると手術することを決断していただきました。オーナー様にとって、重く勇気のいる決断だったと思います。翌日にインスリノーマの摘出手術を行い、姫ちゃんの頑張りもあり手術は無事成功しました。
手術後には、正常な膵臓細胞がインスリン分泌をさぼっていたことによる一時的な糖尿病や膵臓を一部切除したことによる膵炎など、起こるだろうと考えられた術後の合併症をひめちゃんは頑張って乗り越え、先日元気に退院してくれました。もう少し通院していただく必要はありますが、お家で発作も起こっていないとのなので一安心です。
検査によってひめちゃんの病気の原因がわかり、また治療が可能であったこと、そして何よりオーナー様が勇気を出してくださったことでひめちゃんの命が助かったことに喜びを感じています。

ひめちゃん、元気な姿をもっともっと見せてね!

 

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